「養育費をしっかり支払いたいけど、今月の生活が苦しくなってしまう…。どうしたらいいんだろう?」
2019年12月23日、最高裁判所は16年ぶりに養育費の算定書を改訂しました。算定書とは、養育費を決める際に基準となるものです。
今回の改訂では、税制や社会情勢の変化が考慮されました。ほとんどのケースで、養育費が月1万円~2万円程度増額となったようです。
また、2020年4月1日からは改正民事執行法が施行されました。債務者(この記事では養育費の未払い者)に対して、財産の差し押さえをこれまで以上に容易にするものです。
子どもの生活を守るためにも、養育費を滞りなく支払う義務があります。ただし、毎月の負担が、生活に少なからず影響を及ぼすこともあるでしょう。
本記事では、「養育費の支払いに困った時にどうすればよいか?」について紹介します。どうしても支払えない状況に陥った場合は、減額が認められることもあるので、覚えておくといいでしょう。
今すぐ養育費を支払う必要がある場合は、カードローンで一時的に借入するのも手です。大手消費者金融のアコムなら、最短即日融資に対応していて、初めての契約なら最大30日間の無利息期間も利用できますよ。
初回契約の最大30日間無利息期間があるアコム | ||
|
※新型コロナウイルスの影響より、当面の間は営業時間を変更しています。
通常の営業時間 | 変更した営業時間 | |
---|---|---|
自動契約機 | 平日・土日祝:9:00~21:00 | 平日・土日祝:10:00~19:00 |
電話 | 平日・土日祝:9:00~18:00 | 平日のみ:10:00~18:00 |
インターネット | 平日・土日祝:10:00~22:00 | 平日・土日祝:10:00~19:00 |
また、アコムでは、新型コロナウイルス感染症に関する影響を受けた人の取引相談窓口を設けています。詳細は上記公式HPを参照ください。
目次
なぜ養育費は増額されたの?算定表改訂の背景
2019年12月23日に養育費の算定表が改訂され、ほとんどのケースで月に1万円~2万円の増額となりました。
ここでは、算定表が改訂された背景、養育費の金額が決まる条件について紹介します。
養育費を決める3つの要素
改訂された算定表については、裁判所の「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」を参考にしてください。
養育費を決める要素としては、次の3つがあります。
- 親権を持つ側(権利者)の年収
- 養育費を支払う側(義務者)の年収
- 子どもの人数と年齢
例えば、会社員で年収550万円の義務者が、専業主婦の権利者と14歳以下の子ども2人に養育費を支払う場合。これまでの算定表では月額8万円~10万円だったのが、改訂されて10万円~12万円となります。
このように、改訂によってほとんどのケースで増額となりました。以前と変わらない場合もあるものの、減額となることはないようです。
なぜ養育費は増額されたのでしょうか。
養育費が増額となった背景と課題
以前より、旧算定表の養育費が低いことが問題視されてきました。加えて、税制や社会情勢の変化により、親権者の負担は増加傾向にあります。
身近な例をあげるなら、消費税増税は家計に直接影響しているでしょう。また、スマートフォンなどインターネットの普及により、子どもの生活における利益も拡大しました。
これらの状況を考慮して、養育費は増額となったようです。
しかし、養育費が支払われていない現状も無視できません。厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、離婚時に養育費を取り決め現在も受けている母子世帯は24.3%、父子世帯にいたっては3.2%と大変低いことがわかります。
養育費に関しては、金額が低いことに加え、支払われない問題も根深いようです。
養育費を払わないとどうなる?
養育費は、子どもの生活や勉学など、あらるゆ利益を守るために支払います。未成年の子どもを養育監護する親権を持つ権利者、子どもが自立するまでの費用を担う義務者、それぞれの義務を果たす必要があるのです。
養育費を支払う義務を負う側が、それを勝手に放棄した場合、様々なリスクが発生します。例えば、離れて暮らす子どもと面会ができなくなることも、リスクの一つです。
また、給与の2分の1までを差し押さえられる可能性もあります。勤務先にも養育費のため給料が差し押さえられたことが知られるので、こちらも相当なリスクになるでしょう。
次は、養育費を払い続けるためにはどうすればよいか考えていきます。
養育費が払えないなら①周囲に協力をあおぐ

養育費を払えないなら、周囲の人に協力をあおぐのも手です。
親であれば、孫の養育費の一部を快く貸してくれるかもしれません。また、実家暮らしをすることで家事の負担が減れば、副業を始める時間的な余裕もできるでしょう。
以下のように、親に頼る方法を考えてみましょう。
養育費が払えない時の親への頼り方
- 親から養育費を借りる
- 実家暮らしで出費を減らす
ただし、親から借入する場合、金額によっては相続税を求められることもあります。借入であることを証明するためにも、借用書を用意し、返金は口座振込で記録を残すようにしましょう。
関連記事|友達にお金を借りるには?相手への頼み方とトラブル回避法を紹介
養育費が払えないなら②カードローンで一時的に借入する
養育費の支払いを親に頼れない場合は、消費者金融のカードローンを利用して一時的に借入するのも手です。
大手消費者金融であれば、最短即日融資に対応しています。審査に通ればスムーズに現金を受け取れるでしょう。
消費者金融のカードローンなら、初めて契約する人は条件を満たせば無利息期間も利用できます。来月の給与が支払われるまで借入したい場合など、利息を抑えることができるでしょう。
養育費が払えないなら③減額交渉あるいは減額調停を試みる
養育費を全額支払うことが難しいなら、減額交渉をしてみましょう。
親権を持つ権利者と話し合う、または減額調停を起こすことが可能です。支払えない正当な理由があれば、減額も認められるでしょう。
ただし、親権を持つ相手は、あなたに代わって我が子を育てています。そのことをよく理解したうえで、自分の主張ばかりを押し通すことは控えたいですね。
減額調停で減額が認められる場合
以下の場合、減額調停で減額が認められる可能性があります。
(1)義務者の失業または収入に大きな減少があった場合
失業や病気により働けなくなったなど、収入に大きな変動があった場合、義務者は減額が認められるケースがあります。
(2)義務者が再婚して扶養する家族が増えた場合
義務者が再婚して扶養する家族が増えると減額されるケースがあります。
再婚をすると義務者の負担も増え、通常の支払い額を支払い続けることが困難になることがあります。ただし、義務者側が再婚したことで支払い義務自体がなくなることはありません。
(3)権利者が再婚をして子どもが養子になった場合
親権者が再婚をし、子どもと再婚相手が養子縁組を結んだ場合、親権者の金銭的負担は軽減されるため、義務者の減額の対象となります。
親権者の再婚相手の収入で教育費を十分に補える場合は、以降の養育費の支払いが不要になることもあります。
(4)権利者の収入が増えた場合
親権を持つ権利者の収入が増えると減額の対象になります。親権者の収入が増え経済力が増せば、減額の検討の余地ありと考えられるでしょう。
養育費の支払いに関する3つの注意点

ここでは、養育費を支払う側、受ける側の双方から見た注意したい3つのポイントを紹介します。
①勝手に減額しない
養育費が払えないからといって、勝手に減額をしてはいけません。
病気や失業などにより、養育費を減額する正当な理由があっても、義務者は権利者の合意なしに支払う額を減らすことはできないのです。直接話し合うか、減額調停の手続きをしましょう。
②口約束を信用しない
離婚時には、養育費の額をしっかりと決めておく必要があります。ただし、口約束は禁物です。
義務者が途中で支払いを止めたり、減額してきたりするケースに備え、「離婚公正証書」を作成しておくといいでしょう。離婚公正証書は公証人が作成する公文書であり、原本は公証役場で保管してくれます。
義務者が「支払う約束はしていない」などと言ってきた場合、公正証書があれば給料や財産を差し押さえることができるのです。
権利者が「養育費の援助は受けない」と言った場合も、公正証書を作成しておくと後々のトラブルを防ぐことができるでしょう。
③経済力に変動があった場合を想定して話し合っておく
離婚時には、義務者あるいは権利者の生活環境が変化した場合のことも話し合っておくといいでしょう。
互いに再婚したり、失業したりといった生活の変化が起こった時、養育費の支払いをどうするのか取り決めておくことが大事です。減額にするのか、支払いを一時的に止めるのかなど、できるだけ具体的に共有出来ているといいですね。
養育費を支払えない場合の3つの解決方法まとめ
養育費が払えない場合の、3つの解決方法についてもう一度振り返ります。
【養育費が払えない場合の3つの解決方法】
- 周囲に協力をあおぐ
- カードローンで一時的に借入する
- 減額交渉あるいは減額調停を試みる
養育費については事前に話し合いをしておくことが、トラブルを防ぐ最適な方法です。それでも問題が起きた時は、今回紹介した方法を参考にしてみてください。
権利者と義務者との話し合いが決着しなければ、専門の弁護士に相談することも視野に入れましょう。