「買いたい商品があるけど、一括で支払うのは無理そう……」
そんなときに役に立つのがクレジットカードのリボ払いや分割払い。この2つの支払い方法は、支払い額を複数回に分けて支払うところが似ています。
しかし、「リボ払いや分割払いの違いは?」「結局、どっちの支払い方法がお得なの?」と気になりますよね。
この記事では、クレジットカードのリボ払いや分割払いの違いから解説し、2つの方法の便利な使い方をご紹介します。
目次
リボ払いと分割払いの違い4つ
リボ払いと分割払いの違いをざっくりまとめると、以下の4つになります。それぞれの特徴についてみていきましょう。
- 実質年率
- 金利手数料の計算方法
- 支払い回数が決まる要因
- 追加で買い物をしたときの取り扱い
実質年率の違い
まずリボ払いと分割払いは、「金利手数料」という代金支払いを待ってもらうための手間賃のようなものがかかります。
それに加えて、事務手数料や保証料などをすべて合わせたものが「実質年率」です。
リボ払いと分割払いでは、この実質年率に違いがあります。
実質年率がリボ払いと分割払いでどれだけ違いがあるのか、クレジットカードの代表的なものである楽天カードやイオンカードなどの情報をまとめました。
【カード別・実質年率一覧表(%)】 | ||||||
回数 | イオン | ライフ | 楽天 | 三井住友 | Yahoo!Japan | オリコ |
3 | 10.05 | 12.2 | 12.25 | 12 | 12.19 | 12.2 |
5 | 11.13 | 13.5 | 13.5 | 13.25 | 13.49 | 未対応 |
6 | 11.43 | 13.8 | 13.75 | 13.75 | 13.85 | 13.9 |
10 | 12.04 | 14.5 | 14.5 | 14.25 | 14.57 | 14.6 |
12 | 12.19 | 14.7 | 14.75 | 14.5 | 14.73 | 14.8 |
15 | 12.31 | 14.8 | 15.0 | 14.75 | 14.87 | 14.9 |
18 | 12.38 | 14.9 | 15.0 | 14.75 | 14.93 | 15.0 |
20 | 12.4 | 14.9 | 15.0 | 14.75 | 14.95 | 15.0 |
24 | 12.42 | 14.9 | 15.0 | 14.75 | 14.95 | 15.0 |
30 | 12.39 | 未対応 | 15.0 | 未対応 | 14.9 | 未対応 |
36 | 12.34 | 未対応 | 15.0 | 未対応 | 14.81 | 未対応 |
42 | 12.28 | 未対応 | 未対応 | 未対応 | 未対応 | 未対応 |
48 | 12.2 | 未対応 | 未対応 | 未対応 | 14.6 | 未対応 |
60 | 12.04 | 未対応 | 未対応 | 未対応 | 未対応 | 未対応 |
リボ | 15.0 | 15.0 | 15.0 | 15.0 | 18.0 | 15.0 |
(2020年1月時点)
数字で書かれているところが分割払いの回数ごとにかかる実質年率で、「リボ」と書かれているところがリボ払いの実質年率です。
分割払いは支払い回数によって実質年率が上がる傾向にあるのに対して、リボ払いは回数に関係なく一律で実質年率がかかってきます。
分割払いは実質年率が少し低めで、リボ払いは実質年率の相場が15~18%と少し高めなのです。
支払い回数が決まる要因の違い
支払い回数が決まる要因によってもリボ払いと分割払いでも違いがあります。
- リボ払い:支払い残高がなくなるまで支払うため、回数は決まっていない
- 分割払い:最初に自分で決めた回数分、分割で支払いをする
リボ払いは支払い回数ではなく、毎月の返済額を決めてから返済する支払い方法です。
そのため毎月の返済額を自分で指定することができ、毎月の支払金額を各クレジットカード会社の可能な範囲で自由に何度も変更できるのが大きな特徴です。
リボ払いは分割払いとは違い支払いスピードにおける自由度が高いので、「ちょっと今月の支払い厳しい……」と思ったときに毎月の支払金額を減らして支払いを楽にすることができます。
また、分割払いは最初に支払い回数を決めて、固定された額の毎月の返済額を支払っていく返済方法です。
そのため、支払いペースの変更ができるリボ払いと違って計画的に返済しやすく、手数料がかさむ心配がありません。
これらの特徴をまとめると、このようになります。
- リボ払い:支払いペースを決められるが、ペースが遅くなると完済までの金利手数料が多くなる
- 分割払い:返済回数と金額が固定されるため自由度が少ないが、キッチリ返済できる
リボ払いは、毎月の支払い額が少なければ返済回数が多くなり、その分手数料が高くなるというリスクがあるのです。
このリボ払いと分割払いの違いは、ショッピングの利用額が少なければ大した差とはなりませんが、たくさん使うと毎月の負担と手数料に差が出てきます。
リボ払いは、計画的な支払いができるように気を付けることが重要になります。
金利手数料の計算方法の違い
つづいて、金利手数料の計算方法にも、リボ払いと分割払いで違いがあります。簡単に言うと、以下のようになりますね。
- リボ払い:毎月の未払い金額によって決まる
- 分割払い:最初に決めた分割回数によって決まる
リボ払いは毎月の支払い金額が残っている額に対して手数料がかかります。そのため、リボ払いは基本的に毎月の金利手数料の額が変動します。
たとえば、リボ払いで残っている残高が先月で15万円今月で10万円だった場合、後者のほうが残高が少ないので、それに合わせて金利手数料も少なくなるといったイメージですね。
それに対して分割払いは、支払いを契約するときに回数と金利手数料が決まります。リボ払いと違い、分割払いは毎月にかかる金利手数料はほぼ一定です。
また、金利手数料の計算方法で、リボ払いと分割払いの違いを考えると、以下のようなメリット・デメリットがいえます。
【リボ払い】
- メリット・・・残高を効率的に減らせば手数料を少なくできる
- デメリット・・・残高が増えると手数料が高くなる
【分割払い】
- メリット・・・最初に完済までの支払いを把握できる
- デメリット・・・追加の支払いができない
リボ払いの手数料が毎月変わることに対して、分割払いの手数料はカードを利用した時点で、完済までの金額が決まります。
最初に金額が確定するので、「今月は金銭的な余裕があるから多めに支払おう」というように、支払い額を原則自由に変更できません。
そのため早く返済してしまいたいときは、増額払いではなく、一括払いを利用することになります。
追加で買い物をしたときの取り扱いが違う
最後のリボ払いと分割払いの違いは、追加で買い物をしたときの取り扱いです。リボ払いで返済中なのに、またべつの商品が欲しくなるということも考えられますね。
ただあまりにも利用額が多いと、以下のようなリスクがあるのです。
- リボ払い:残高が増えた分手数料が高くなるリスク
- 分割払い:利用するほど毎月の負担が増えるリスク
リボ払いは毎月の支払い額を指定できるので、追加で買い物をしても、毎月の負担は少なくて済みます。
ただ毎月の支払い額ばかりを見て、完済までの計画を考えないと、支払い回数が伸びることによって多くの手数料がかかる恐れがあります。
手数料を増やさないためには、たくさん買い物したなら毎月の支払い額もできる範囲で多めに支払うことが大切となります。
また、先ほども解説したとおり、分割払いは指定した回数によって、1回分の支払い額が決まります。
ただ使えば使った分だけ、1回で支払うべき金額が大きくなるので、買い物しすぎると毎月の支払いが大変になってしまうリスクがあります。
そのため毎月支払える金額以上の買い物をしないことが大前提なのです。
リボ払いと分割払いの違いと仕組みをよく理解して、「自分はどちらの支払い方法に合っているか」をしっかりと考慮するのがよいでしょう。
リボ払いと分割払いのどちらがお得?
リボ払いと分割払いの違いを確認したところで、次に気になるのが「リボ払いと分割払いはどちらが得なのか?」ということでしょう。
あくまで「完済までにかかる手数料」という視点で比べた場合ですが、リボ払いよりも分割払いのほうがお得になるケースが多いです。
その根拠は、以下の2つが挙げられます。
- 分割払いのほうが、実質年率の相場が低いから
- 使いすぎによるリスクが少ないから
根拠1.分割払いのほうが実質年率の相場が低い
先ほども解説した通り、リボ払いは15.0~18.0%の実質年率であることが多いのに対して、分割払いでは基本的にリボ払いよりも実質年率が少ないことが多いです。
たとえば、代表的なクレジットカードであるイオンカードを例にしてあげてみましょう。
イオンカードの分割払いの実質年率は10.05~12.04で、リボ払いの実質年率は15.0%と約3~5%も差があります。
あくまで1年単位での単純計算ですが、実際の金額に揃えてみると、このようにリボ払いと分割払いで違いが大きく出ます。
【例.100万円に対してかかる1年後の手数料】 | |
支払い方法 | かかる手数料 |
リボ払い(15.0%) | 115万円 |
分割払い(10.04~12.04%) | 約110~112万円 |
このように、たった数%の実質年率の差だったとしても、完済までの手数料に1万円以上の差が出るのも珍しくありません。
長い期間で支払いが続くほどかかる手数料の差が大きくなっていくので、分割払いのほうが手数料の面でお得になりやすいのです。
根拠2.リボ払いに比べて使いすぎのリスクが低い
分割払いはリボ払いに比べて使いすぎによって手数料がかさみ、返済不能になるリスクが少ないです。
分割払いは決められた回数に合わせて一定の返済額を毎月支払うという仕組みになっているので、分割払いを利用すればするだけ毎月の返済額が増えていきます。
そのため、毎月の返済額が増えれば当然月々の家計も苦しくなるので、使いすぎに気づいて「これ以上は分割払いを使わないようにしよう」と自制しやすいです。
反対に、リボ払いは月々の支払いペースを遅くすることができ、支払い残高が増えても楽に支払いを続けられますが、じつはこれが大きな落とし穴。
月々の支払い金額が少なくなると完済までのスピードも遅くなるため、そのぶん金利も多くかかってしまうのです。
さらにリボ払いは月々の支払額をいじることができるので「毎月支払えているから大丈夫」と錯覚しやすいでしょう。
そのため、リボ払いはきちんと返済計画を立てないと、分割払いよりも損をしてしまうケースが多いのです。
シミュレーションA:10万円の物を購入する
ここから、実際に買い物をするときの支払い目安を、シミュレーションしてリボ払いと分割払いの違いを確認していきます。
イオンカードで10万円の買い物をしたと仮定し、リボ払い・分割払いでどれだけ違いがあるのか比較してみましょう。
リボ払いの場合
リボ払いの場合、残りの支払額がいくら残っているかに対して金利手数料がかかってくることは説明しました。
イオンカードのリボ払い年率:15.0%を利用し、月々返す額を5,000円に設定してみると、20回に分けた支払い額は以下のようになります。
【イオンカードで10万円の買い物をした場合(リボ払い)】 | ||||
回数 | 支払額 | (うち元金) | (うち手数料) | 残り残高 |
1 | 6,250 | 5,000 | 1,250 | 95,000 |
2 | 6,187 | 5,000 | 1,187 | 90,000 |
3 | 6,125 | 5,000 | 1,125 | 85,000 |
4 | 6,062 | 5,000 | 1,062 | 80,000 |
5 | 6,000 | 5,000 | 1,000 | 75,000 |
6 | 5,937 | 5,000 | 937 | 70,000 |
7 | 5,875 | 5,000 | 875 | 65,000 |
8 | 5,812 | 5,000 | 812 | 60,000 |
9 | 5,750 | 5,000 | 750 | 55,000 |
10 | 5,687 | 5,000 | 687 | 50,000 |
11 | 5,625 | 5,000 | 625 | 45,000 |
12 | 5,562 | 5,000 | 562 | 40,000 |
13 | 5,500 | 5,000 | 500 | 35,000 |
14 | 5,437 | 5,000 | 437 | 30,000 |
15 | 5,375 | 5,000 | 375 | 25,000 |
16 | 5,312 | 5,000 | 312 | 20,000 |
17 | 5,250 | 5,000 | 250 | 15,000 |
18 | 5,187 | 5,000 | 187 | 10,000 |
19 | 5,125 | 5,000 | 125 | 5,000 |
20 | 5,062 | 5,000 | 62 | 0 |
計 | 113,120 | 100,000 | 13,120 |
(2020年1月時点)
リボ払いで支払うと、商品の代金のほかに13,120円を金利手数料として支払わなければいけません。
この支払総額を頭に入れ、次は分割払いの場合について考えていきます。
分割払いの場合
分割払いは最初に「支払い総額」を出し、指定した回数で支払っていくことになります。
ただどうしても端数が出てくるので、その端数については初回支払い額に加えられるという処理が行われているのです。
分割回数20回・実質年率12.4%の場合をみてみましょう。
【イオンカードで10万円の買い物をした場合(分割払い)】 | |||
回数 | 支払額 | (うち元金) | (うち手数料) |
1 | 5,560 | 5,000 | 560 |
2~20 | 5,560 | 5,000 | 560 |
合計 | 111,200 | 100,000 | 11,200 |
(2020年1月時点)
リボ払いのときの完済までにかかる手数料は13,120円だったのに対し、11,200円と安くなっています。
そこでイオンカードで20回払いをするなら、「リボ払いより分割払いが有利!」とみえますが、これだけで結論付けるのは少し早とちりです。
金利手数料が同じということは、つまり20ヶ月間、一定の金利手数料を支払い続けることになります。
そうすると、分割払いの手数料がこまめに返しているリボ払いより高くなることも少なくなかったりするのです。
リボ払いと分割払いの違いを考えるにはもうひとつ、条件を加えてシミュレーションをする必要があります。
リボ払いの支払い額を増額する
イオンカードはいつでも毎月の支払い額を増額することが可能です。
そのため毎月5,000円から月々7,500円支払いのコースに条件が変えて、どちらがお得になるのか確認してみましょう。
リボの毎月7,500円支払うコースでは、支払い回数は14回、手数料合計は8,659円となります。
20回で分割払いする場合は、11,200円の支払いが必要だったので、分割払いよりも2,541円お得になっているのです。
リボ払いでも、毎月の支払い額が多ければ分割よりもお得になるということです。
さてここからは10万円の買い物をした翌月、大きな買い物をしたケースを考えていきましょう。
シミュレーションB:翌月にも10万円の物を購入する
先ほどのシミュレーションAで「10万円のものを買った翌月、ふたたび10万円の買い物をした」という仮定でリボ払いと分割払いの違いを見ていきましょう。
リボ払いの場合
毎月の支払いが5,000円コースのとき、以下のような支払いとなります。
【イオンカードで翌月にも10万円の買い物をした場合(リボ払い)】 | ||||
回数 | 支払額 | (うち元金) | (うち手数料) | 残り残高 |
1 | 6,250 | 5,000 | 1,250 | 95,000 |
2 | 7,437 | 5,000 | 2,437 | 199,000 |
3 | 7,375 | 5,000 | 2,437 | 185,000 |
4 | 7,312 | 5,000 | 2,312 | 180,000 |
5 | 7,250 | 5,000 | 2,250 | 175,000 |
6 | 7,187 | 5,000 | 2,250 | 95,000 |
7 | 7,125 | 5,000 | 2,125 | 165,000 |
8 | 7,062 | 5,000 | 2,062 | 16,000 |
9 | 7,000 | 5,000 | 2,000 | 155,000 |
10 | 6,937 | 5,000 | 1,937 | 150,000 |
11 | 6,875 | 5,000 | 1,875 | 145,000 |
12 | 6,812 | 5,000 | 1,812 | 140,000 |
13 | 6,750 | 5,000 | 1,750 | 135,000 |
14 | 6,687 | 5,000 | 1,687 | 130,000 |
15 | 6,625 | 5,000 | 1,625 | 125,000 |
16 | 6,562 | 5,000 | 1,562 | 120,000 |
17 | 6,500 | 5,000 | 1,500 | 115,000 |
18 | 6,437 | 5,000 | 1,437 | 110,000 |
19 | 6,375 | 5,000 | 1,375 | 105,000 |
20 | 6,312 | 5,000 | 1,312 | 100,000 |
21 | 6,250 | 5,000 | 1,250 | 95,000 |
・ ・ ・ |
・ (中略) ・ |
・ (中略) ・ |
・ (中略) ・ |
・ (中略) ・ |
40 | 5,062 | 5,000 | 62 | 0 |
計 | 249,990 | 200,000 | 49,990 |
※金利15%の場合
(2020年1月時点)
金利手数料が5万近く!?借りた額は倍なのに、手数料は4倍以上になります。
そう、リボ払いは「借入れ額」・「借入れ期間」に比例して手数料が高くなる傾向があるのです。
同じ条件で、分割払いにした場合をみてみましょう。
分割払いの場合
分割払いの場合、今ある20回払いに加えて買い物をしたとしても、20回払いをさらに分割することはできません。
そのため最初の10万の買い物は20回払い、翌月の10万は毎月の負担を少なくするため、42回払いで支払う計算をしてみましょう。
【イオンカードで翌月にも10万円の買い物をした場合(分割払い)】 | |||
回数 | 支払額 | (うち元金) | (うち手数料) |
1 | 5,560 | 5,000 | 560 |
2 | 9,100 | 7,420 | 1,680 |
3~20 | 9,060 | 7,380 | 1,680 |
21~43 | 3,500 | 2,380 | 1,120 |
合計 | 234,480 | 200,000 | 34,480 |
※金利手数料は実質年率として20回:12.4%・42回:12.28%で計算したときの目安額を表示
(2020年1月時点)
分割払いは利用するほどに、毎月の支払い負担が上乗せされていくので注意しましょう。
最大では毎月9,100の支払いが必要です。
ただしリボ払いの5,000円コースで支払うときに比べ、手数料負担は15,510円も少なくなります。
そう、ここがリボ払いの大きなトリックなのです。
毎月の負担が少なくなりがちな分、完済までに支払う手数料の負担が増えてしまいがちなのですよ。
ただリボ払いは自体が悪いわけではありません。
使い方次第ではわたしたちの味方にもなるので、しっかり活用の仕方を覚えておきましょう。
使い方次第で味方になる!リボ払いはこう使う
リボ払いは、計画的に利用しないと金利手数料がかさんでしまうリスクのある支払い方法ですが、使い方次第ではうまく活用できます。
具体例をあげるならば、このような方法があります。
- 資金に余裕があるときに、繰り上げ返済をする
- 1ヶ月分のみ、個別でリボ払いにする
それぞれ詳しく解説していきましょう。
資金に余裕があれば繰り上げ返済
リボ払いは支払いの残り金額に応じて金利手数料がかかってきます。
もちろん残高は支払いごとに減っているのですが、それにプラスして支払いを行えばそのぶん少なくなり、金利手数料を節約できるんです。
今はたとえ定期預金であっても付く利息は年0.01%前後。1万円を1年預けておけば1円もらえるという利率です。
一方1万円を1年借りれば1,500円、金利手数料がかかります。
預金するより返済に回してしまったほうが安く済むのです。
余ったお金を「投資」で増やして返す!という心意気の方もいるかもしれませんが、そちらもやめたほうが賢明です。
金利手数料を上回る利益を得るためにハイリスク・ハイリターンの投資をするのであれば、投資金額の15%分を回収可能な、繰り上げ返済という「投資」のほうが確実でしょう。
1ヶ月分のみ・個別でリボ払いにする
リボ払いは1ヶ月分のみをリボにすることや、購入したものを個別でリボ払いに変更できる方法もあります。
限定的にリボ払いにできるので、残高がいくらなのか把握しやすく膨らむこともありません。そのため計画的に返済しやすい方法です。
金利手数料なしの支払い方法も利用しよう
リボ払いと分割払いの違い以外にも、ほかの支払い方法についても目を向けてみましょう。
たとえば、このような支払い方法は金利手数料がかからないので、可能であれば利用してもいいかもしれませんね。
- 一括払い
- 分割2回払い
- ボーナス一括払い
なお、カード会社によってはボーナス2回払いを取り扱っています。
このときの2回目の支払いに金利手数料がかかるかは、カード会社によって異なるので注意しておきましょう。
その理由は「クレジットカード会社はお店からも手数料をもらっているから」です。
もちろん分割払いでもお店側から手数料は払っています。
待ってもらうのに金利手数料がかからない、それがボーナス一括払いの大きな特徴です。
ボーナス一括払いの特徴
もう少し細かくボーナス一括払いの特徴を整理してみよう。
- 請求書は8月・1月にまとめて
- 金利手数料がかからない
- 1万円からの買い物に
- ボーナスがなくても使える
ボーナス一括払いでも後から支払い方法を変更できるカード会社は多くなっています。
むしろ「ボーナス一括払いで指定しておき、支払う時期にリボ払いへ変更する」というテクニックもあり、高いリボ払いの金利手数料を節約する方法として有名になってきているのです。
さて「リボ払い」というワードが再び登場してきたところで、もっともリボ払いの怖いところに触れてみましょうか。
リボ払いのなかでもカード会社で返済方式が異なる?
同じ「リボ払い」に見えても、カード会社によって大きく2つの返済方法があります。
この返済方法の違い、気にしておかなければ「支払っているつもりが全然残りの額が減らない!」ということにもつながりかねないのです。
- 元金定額方式・・・毎月の返済額に手数料を追加して支払う
- 元利定額方式・・・毎月の返済額は手数料が含まれている
毎月カード会社に支払う額でみてみると、毎月5,000円支払うことを約束した場合、元金定額方式では「5,000円+手数料」、元利定額方式は「5,000円」を支払っていくことになります。
毎月支払う額のなかに金利手数料が含まれているので、実際に返している額は「支払う額-金利手数料」
金利手数料が高ければほとんど返せないし、返せなければその分金利手数料は高いままだから……。
リボ払いを使うときは自分の使うカードがどちらの方式を採用しているか、事前に調べておきましょう。
有名なカードだと──
元金定額方式:イオンカード、楽天カード、三井住友カード、Yahoo! Japanカード、JCBカード
元利定額方式:ライフカード、オリコカード、エポスカード どちらも取り扱うので要確認:MUFGカードなどがあげられます。
キャッシングは基本的にリボ払い?
「クレジットカードのキャッシング枠のリボ払いと分割払いの違いは?」と気になる方もいるかもしれません。
しかし、キャッシング枠は基本的にリボ払いのみで、分割払いをしていないことが多いので注意しましょう。
買い物をするとき、クレジットカードが使えず「現金」が必要になるということも少なくありません。
また、兄弟の結婚式となれば出席とともに、5万円以上のご祝儀を送りますよね。
給料日前にこの金額を出す余裕がない方も多いのではないでしょうか。
おめでたいことではあるんだけど……。家計的にはおめでたくない……のが本音ですよね。
そういったときに思い浮かぶのが「お金の借り入れ」です。
クレジットカードにはショッピング枠という買い物時に使える利用枠と、お金を借り入れることができるキャッシング枠の2種類あります。
クレジットカードのキャッシングで現金を準備するのは、急な出費に対処できる便利な方法なのです。
キャッシングは、ショッピング利用分と違って、分割払いでの支払い方法は利用できず、リボ払いで支払いとなります。
急に高額の現金が必要ですぐには返済できないというときでも、毎月無理のない金額を指定して支払いができようになっているのです。
まとめ:金銭的には分割払いのほうがお得
今回はリボ払いと分割払いの違いについて、シミュレーションを交えて解説してきました。
ここで、それぞれの違いについておさらいしておきましょう。
- 実質年率
- 金利手数料の計算方法
- 支払い回数が決まる要因
- 追加で買い物をしたときの取り扱い
リボ払いと分割払いを金銭的な面で比べた場合は、分割払いのほうがお得です。
分割払いのほうが実質年率の相場が低く、使いすぎによる支払い不能のリスクも低いため計画的な返済が苦手な人は分割払いにするとよいでしょう。
ただ、リボ払いは繰り上げ返済や1ヶ月分のみの利用で金利手数料を節約しつつ支払うこともできます。
それぞれ一長一短の支払い方法なので、リボ払いと分割払いの違いをしっかり把握したうえでかしこく支払いをしてみてください。